よりかず式|凡人のためのSNSマーケティング実践録.82
2026/04/12
よりかず式|凡人のためのSNSマーケティング実践録.82
第82回:AIの答えが全部“正解っぽく見える”状態、実は一番ヤバいです/文:よりかず先生
AIの答えは優しすぎて全部正解に見えてしまう
AIに何を聞いても、「それいいですね」「素晴らしいアイデアです」と返ってくる。
しかもアイデアとなる候補をバンバン出してくれて、全部よさそうに見える。
でも、逆に「どれを選べばいいかわからない」という状態に陥ってしまう。
効率化しようとしてAIを使い始めたはずなのに、気づいたら手が止まっている。
そんな経験あるんじゃないですか。
AIが「全部正解」に見える本当の理由
これは、AIがイマイチなんじゃなくて、目的をはっきりさせないまま使っていることが原因。
たとえば、副業でSNS運用を始めようとしている会社員が「SNS投稿のアイデアをください」とAIに聞いたら、AIは丁寧に10個ほどのアイデアを返してくれる。
全部そうだと思える整った文章。
でも、どれが最適かは、AIには判断できない。
なぜなら、「誰に向けて、何のために発信したいのか」はAIにはわからないから。
これは、カーナビに「どこかいいところに連れてって」と言っているようなもの。
目的地を入れなければ、どこにも案内してもらえない。
目的がぼやけている人に共通する3つの特徴
起業を目指してネット集客やSNS戦略を学ぼうとしている段階では、「まず何でもやってみよう」という姿勢になりがち。
それ自体は悪くないけれど、AIを使いこなすという点では、この曖昧さが足を引っ張ってしまう。
そもそも、目的がぼやけている人には、共通した特徴があり、「いつまでに」という期限がない。
「いつか起業したい」「そのうちSNSで集客できるようになりたい」という状態では、AIに何を聞いても一般論しか返ってこない。
一般論は誰にでも当てはまるから、読んだ瞬間は「なるほど」と感じるけれど、現実は1ミリも変わらない。
最終的に自分が何をしたいのか、まだ決まっていない。
脱サラして自分と同じような人の独立支援をしたいのか、オンラインで自分の強みを活かしてコンサルをしたいのか、コミュニティを作りたいのか。
方向性が定まっていない状態でAIに相談しても、返ってくるのは「どれもあり得ます」という答えだけ。
良し悪しの基準を持っていない。
AIが出してきたアウトプットに対して「なんとなく違う気がする」と感じても、何がどう違うのかを言語化できない。
この状態では、いくら指示を繰り返しても同じ場所をぐるぐるするだけ。
AIを動かす9つの要素
AIへの指示(プロンプト)には、精度を高めるための要素があり、次の9つが必要。
1. 役割:あなたは何の専門家か
2. 目的:何を達成したいか(数値目標+期限)
3. 対象:誰に向けたものか
4. 前提:使っていい情報/使ってはいけない情報
5. 制約:文字数・トーン
6. 形式:箇条書き/表/手順書/台本
7. 禁止事項:誇張しない、専門用語は使わない
8. 出力:見本を与える
9. 評価基準:どこまで書けたら合格か
この中で、最も抜けがちなのが最後の評価基準。
みんなやりがちなのが、「いい感じに作って」という指示。AIは「いい感じ」を適切にくみ取ってはくれない。
でも「これを80点としたら、100点に仕上げて」と伝えると、AIはキビキビ動き始める。採点基準が明確になるからなんです。
僕自身の失敗と気づき
正直に言うと、僕もしばらくの間、AIに指示を出しても「なんかイマイチだな」と感じ続けていた。
返ってくる答えが当たり障りないものばかりで、使えないって思っていた。
転機になったのは、指示の出し方を変えたとき。
それまでSNSの投稿を作るとき、「誰に向けて書くか」を曖昧にしたまま投稿を量産していた。
「副業に興味がある人」という大雑把なターゲット設定で、AIに「参考になる投稿を作って」と頼んでいた。当然、返ってくるのは誰にでも当てはまる無難な内容ばかりだった。
ところが「30代会社員で、脱サラを目指して副業を始めたばかりの初心者。
SNS戦略を学びたいが、何から手をつければいいか迷っている人に向けて」と対象を絞り込んだ途端、AIの出力がまるで変わった。
AIを使いこなせないのは、プロンプトの技術が足りないからでも、新しいツールを知らないからでもない。
目的と対象と評価基準が曖昧なまま指示しているからなんだって気づいた。
動けないのは、AIのせいではなく「問いの設計」のせいだ
AIは優秀なアシスタントであって、上司ではない。
だから、何をしたいかも、どれを選択するのかも、ゴール設定はあくまで人間の仕事。
起業に向けてオンラインでネット集客を学びたい、SNS運用で成功したい、AI活用で業務を効率化したいと考えているなら、まず「自分が何を達成したいのか」「誰に向けて発信するのか」「それをいつまでに実現したいのか」を言語化するところから始めてほしい。
その問いが明確になれば、AIは一気に強力な武器になる。