よりかず式|凡人のためのSNSマーケティング実践録.75
2026/04/05
よりかず式|凡人のためのSNSマーケティング実践録.75
第75回:あなたのその発信、誰も見てない”日常報告”になってます/文:よりかず先生
「今日はカフェで作業しました」←こんな投稿、誰が興味あるの?
副業・ネットビジネス系の発信を始めたころ、僕はメンターからこんなアドバイスをもらっていた。
「自己開示が大事。自分のことを知ってもらうことがファンづくりの基本だよ」と。
そうだなと思い、それを毎日素直に実行した。
「今日はいつものカフェで仕事しました」
「クライアントさんと打ち合わせをしました」
「副業をしながら会社員を続けるのはやっぱり大変です」
内容は本当のことだし、自分らしさも出ていると思っていたけれど、結果は反応ゼロ。
いいねは一桁、コメントはなし。
それでも「中身が足りないんだ」と思い込んで、文章の質を上げることばかり考えていた。
それがダメだと気づいたのは、同じメンターに投稿を見てもらったとき。
「内容より先に、1行目を変えた方がいい」というアドバイスが、すべてを変えました。
読者はあなたの「生活」じゃなく「ドラマ」が見たい
NS発信やブログのオンライン戦略を考えるうえで、まず押さえておくべき大前提がある。
芸能人なら「今日はカフェに来ました」という日常の一コマでも見てもらえる。
理由は単純で、読者がすでにその人に興味を持っているから。
しかし、まだ無名の個人が副業・起業の初心者として発信を始めるなら話は全く違う。
読者はあなたがどこへ行って誰と食事をしたのかに興味はない。
あなたの人生に起きた事件=ドラマを覗き見したいだけ。
映画に例えるとわかりやすい。冒頭で「主人公が今日も朝9時に出社しました」から始まる映画と、「主人公が出社したら、朝からクレームの電話が鳴りやまなかった」から始まる映画。
どちらの続きを見たくなるか。SNSもブログも、この原則はまったく同じです。
「書き出し」が9割、悪い例と良い例
副業で動画編集をしている人の投稿を例に、具体的に比較してみよう。
悪い例:私は副業で動画編集をやっています。
先日、あるクライアントさんとの契約で、ちょっとしたトラブルになりました。
良い例:「あなたとは二度と仕事はしない」そう言われて、納品した作品が全部ボツになった。報酬は0円。さすがに心折れた。
悪い例の何がまずいかというと、「ちょっとしたトラブル」という抽象的な言葉が、読み手の脳内でリアルな情景を作らない。
トラブルの重さも、感情の温度感も、何も伝わらない。読者は「ふーん」と思ってスクロールされてしまう。
良い例では、実際に言われた強烈な一言をそのまま冒頭に置いている。
「あなたとは二度と仕事はしない」という台詞を読んだ瞬間、読者は頭の中でリアルな情景を思い浮かべる。
副業の成功を目指している人なら「自分ごと」として読み進める。
これがネット集客の観点でいうフック(引っかかり)です。
「フック」とは何か?
マーケティングの世界で「フック」とは、魚を釣る釣り針と同じ意味。
読者という魚がタイムラインという川を泳いでいるとき、釣り針に引っかかった瞬間だけ立ち止まる。
この釣り針の役割を果たすのが、投稿やブログ記事の書き出し1行目。
フックがなければ、どれだけ内容が充実していても読まれない。
中身を磨く前に、冒頭のフックで惹きつけられるか。僕もこの観点が抜け落ちていた。
釣り針のない釣り糸をいくら水に垂らしても、魚は釣れない。
当たり前のことのようで、SNS戦略やオンラインマーケティングを学び始めた初心者ほど、これに気づいていない。
初心者が陥りがちな罠
起業や副業の初心者がSNS発信を始めるとき、「自己開示が大事」という情報を見て、誤った方向に解釈してしまうことがよくある。
自己開示とは自分の日常を報告することではなく、自分の感情・失敗・葛藤をリアルに伝えること。
独立支援のコンサルや育成プログラム、オンラインのコミュニティや交流会で共通して語られるノウハウも、突き詰めるとここに行き着く。
集客の仕組みを作る前に、まず「読まれる文章」があるかどうか。
脱サラや独立を目指す戦略として情報収集を始めた段階から、この一点を意識するだけで発信の質は大きく変わる。
AIを活用した文章改善ツールやオンライン相談サービスが増えた今も、フックの核心となるのは自分の体験の解像度。
どんなツールを使っても、リアルな一言・一場面を切り取る感覚は自分自身で磨くしかない。
今日からできる1つのアクション
次の投稿を書くとき、最初に書いた書き出しの1行を見直してほしい。
「今日は〜」「先日〜」「最近〜」から始まっていたら、それは今すぐ削ろう。
代わりに、その記事の中でいちばん強烈な一場面、例えば実際に言われた言葉、感じた感情、起きた出来事などを冒頭に持ってこよう。
「トラブルがあった」ではなく、「言われた台詞」をそのまま書く。
この差が、反応を大きく変える。
中身を磨く前に、まず1行目を磨く。
これが、無名の個人がオンラインで読まれるための、最初の一歩です!